所得税の負担が増え、法人税の負担が軽くなる傾向ー会社に利益を残した方が得?

日本の法人税は世界的に見て高いと言われていました。しかし、最近では日本企業の業績を改善したり、外国企業からの投資を呼び込む目的で法人税率が年々引き下げられています。

一方、法人税率の引き下げと反比例するように増えているのが所得税。特に、年収800万円以上の中所得者・高所得者の負担が大きくなっています。

法人税率が高い時代には、多少個人の所得税・市民税が高額になろうが、会社で得た利益は経営者個人に移すことが多かったようです。

法人・個人間の資金のやり取りの便宜性を考えるなら、会社よりも経営者個人がお金を持っていた方が良いのですが、近年の法人税率引き下げ・所得税負担増の流れを受けて、注意すべき部分も出てきています。

手元に残るお金が最大になるように会社の利益を経営者・家族に移す

会社の得た利益には法人税がかかります。また、会社から経営者個人やその家族に給与・賞与を支給すると、経営者やその家族は主に所得税・市民税を負担しなければいけません。

ただし、税務署への届け出などしっかりと手続きを踏んだ上で、適正な額であれば、会社が経営者やその家族に支払う給与・賞与は損金とすることができるため、会社の節税につながります。

とは言え、会社としてどれだけ節税できたとしても、個人の負担する所得税・市民税の額が大きければ、最終的に手元に残るお金は少なくなってしまいます。

かつては法人税が40%を超えていたこともあり、多少所得税・市民税が高くなろうが法人の利益を経営者個人やその家族に給料などの形などで移した方が有利でした。

しかし、2017年現在は法人税の基本税率は23.4%、中小企業なら15%というかなり低い数字となっています。さらに今後も税率は引き下げられる見込みです。

一方、個人に対する所得税は負担が増えており、かつては課税所得1800万円超は税率40%であったのが、現在では課税所得4000万円超で45%と高所得者の負担が増えています。また、年収1000万円前後の所得でも税控除額が減っており、実質的に増税となっています。

そのため、会社が大きな利益を出した場合は、法人税を一旦支払ったうえで会社に利益を留保しておき、所得税・市民税の負担が増えない割合で数年かけて利益を個人に移していく方法が有効になっています。

この辺りは、経営者や家族に支払う給与・賞与がどの程度あるかにもよるので、会社と個人両方にかかる税金を計算し、手元に残るお金が最大になるような割合を考えるとよいでしょう。

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