起業したばかりでは配偶者を役員としない方が良い理由

起業をした方で配偶者がいる場合には、配偶者を役員としようと考えている方もいるかもしれません。

確かに、配偶者を役員にすれば、会社の利益を分散して給与支給することができるため、経営者一人だけで給与を受け取るよりも税金の負担が軽くなります。結果的には、家族の手元に残るお金の総額は多くなるでしょう。

ただし、起業をしたばかりの場合は、経営が安定するまでは配偶者を役員とはしない方がよい傾向にあります。その理由を説明します。

役員報酬・役員賞与は年度途中での変更が困難

配偶者を役員にして困るのは、役員報酬や役員賞与の損金算入に厳しい制限がある点です。特に問題となるのは報酬額を変更したいとき。

役員報酬や役員賞与は原則として会計年度の途中で変更することはできません。

正確には変更することはできますが、変更すると損金にできる額が減ったり、全く損金にできなくなってしまいます。

経営が安定していれば年間の利益を比較的簡単に予測できるため、経営者や配偶者の役員報酬を適切な額に設定しやすいと言えます。

ところが、起業当初はなかなか利益の予測が立てにくく、予想よりも利益が少ない場合も少なくありません。

実際に利益が少なくても、途中で役員報酬額を変更してしまうと損金に算入できなくなるため、そのまま支給し続けなくてはいけません。

もちろん例外もあると思いますが、起業してから数年はなかなか安定して利益を出すことは難しいでしょう。赤字決算だって珍しくありません。

起業東証は、経営者一人の役員報酬額さえも問題となる可能性があるのに、配偶者まで役員にしてしまうと二重に大変になってしまいます。

利益が安定して上がらない可能性が高い場合は、配偶者を従業員にしておいた方が、より柔軟に損益に対応して給料や賞与を決められます。

また、会社の利益が少ない場合は、配偶者の給料を年間103万円以下に抑えることにより、配偶者控除などのメリットを享受することができます。

配偶者の側も103万円以下の給料であれば、市民税は発生しませんし、所得税もほとんど発生しません。また、社会保険についても年間130万円以下の給料であれば、経営者の扶養に入って加入することができ、社会保険料は発生しません。

会社の利益が十分に大きくないのであれば、配偶者を役員にして中途半端な額の役員報酬を支払ってしまうよりは、従業員として103万円以下の給料を支払う方が負担が少なく、キャッシュフローも悪化しない可能性が高いです。

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