過剰に高額な役員報酬は会社と経営者個人のお金を減らす

家族経営の小さな企業では、会社の上げた利益はほぼ経営者やその家族のものという場合も少なくないと思います。

会社の利益がそこまで大きくなければ問題ありませんが、数千万円以上の利益がある場合、利益のほとんどを経営者に役員報酬として支払うのは避けた方が良いかもしれません。

会社の支払う法人税と個人の支払う所得税・市民税

家族経営の会社では、会社と個人の両方で手元に残るお金を多くすることが大切です。

そのためには会社の支払う法人税と、個人の支払う所得税・市民税の負担を可能な限り減らすにつきます。

法人税の税率は現状で20%から40%程度です。一方、所得税・市民税の税率は15%から55%。

また、所得税・市民税は課税所得額に連動して増えていきますが、法人税率は課税所得の額によって変わりません。

会社に残すお金と、経営者に役員報酬として支払うお金の配分を上手く調整するようにしましょう。

例えば、役員報酬の必要経費を全て支払った後、会社に3000万円のお金が残ったとします。この全額を役員報酬として支払うとどうなるのか。

年収3000万円の場合、課税所得はおおよそ2500万円ほどになります。

課税所得が2500万円だと、所得税の税率は40%。市民税の10%と合わせて、50%の税率となります。

つまり、1250万円ほどの税金が発生します。

一方、会社の側では経理処理をしっかりと行っていれば、役員報酬の3000万円は損金にできるので、法人税は発生しません。

最終的に1750万円のお金が残ることになります。

ここで、会社に2000万円のお金を残し、経営者に1000万円の役員報酬を支払ったとしましょう。

会社の法人税率を25%とすると、2000万円の利益に対して500万円の法人税が発生します。会社には1500万円が残ることになります。

一方、経営者の役員報酬が1000万円で、課税所得が650万円として計算すると、所得税率は20%になります。市民税の10%と合わせて30%の税率なので、195万円の税金が発生します。

法人税と所得税・市民税を合わせて695万円の負担になります。

会社には1500万円、経営者には805万円のお金が残ります(経営者の分については、社会保険料を考慮していないので実際にはもっと少なくなります)。

合わせて2305万円のお金が残るため、3000万円全額を経営者の役員報酬として支払った場合よりも、より多くのお金を残せたことになります。

個人の負担する所得税は、課税所得が増えるに従って税率が上がる累進課税です。そのため、大きな利益が上がったからと言って経営者に高額な役員報酬を支給すると、最終的に手元に残るお金が少なくなってしまう可能性があります。

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