法人税の節税に先立って必須の準備ー青色申告の承認申請

会社を設立し、起業したばかりでは、事業の拡大に全力を注ぐでしょう。

事業の拡大が最優先なのはもちろんですが、同時に節税のことも考える必要があります。

さまざまな節税策の中には、事前に税務署に届け出を行うなど、準備や手続きが必要なものも多くあります。手続きを忘れてしまっては、その年度は利用できないものもあります。

今回は会社を立ち上げた際に、節税に先立って必ずやっておきたい準備・手続きについて解説します。

① 青色申告の承認申請を税務署に届け出る

青色申告というと個人事業主が行うものというイメージが強いかもしれませんが、法人もまた青色申告を利用して確定申告を行います。

また、法人も個人事業主と同じように白色申告を利用することもできます。

法人だからと言って青色申告の利用が義務ではありませんが、結論から言えば青色申告の利用は必須です。

青色申告を利用すればさまざまな節税策が利用できます。逆に言えば、節税策としてよく知られている手段には、青色申告を利用していなければ使えないものも少なくありません。

個人事業主の場合、白色申告の方が会計処理がやや楽という利点はありますが、もともと法人の場合は複式簿記で決算を行わなければいけないなど、会計処理は大変です。これは白色申告を利用しても変わりません。

つまり、白色申告を利用しても特にメリットはない上に、多くの節税手段が利用できなくなってしまうのです。

このように、法人が節税を行うのであれば青色申告の利用は絶対に必要ですが、青色申告で確定申告を行うためには所定の期日までに税務署に承認申請を行うことが必要になります。

青色申告の承認申請の期限は「青色申告を行う事業年度の開始日の前日まで」となっています。

なお、会社を立ち上げた年度は少し複雑になっています。

起業した年度には、「会社設立から3カ月が経過した日」と「最初の事業年度が終了する日」のいずれか早い方の前日までとなります。

青色申告の承認申請が間に合わなかった場合にも救済策はありますが、手続きが大変なため、余計な労力をかけてしまうことになります。青色申告を利用するためにも確実に期日までに承認申請を行うようにしましょう。

未払い金・未払い費用を損金に算入して法人税を節税する

損金にできるのは、原則として決算日までに支払った経費です。しかし、一定の条件を満たしていれば、まだ実際に支払いを行っていない経費であっても、未払い金・未払い費用として損金に算入することができます。

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社員旅行の経費を福利厚生費として損金にする

社員旅行を行っている会社はまだまだ多いと思います。

社員旅行の経費は会社にとっては経費として損金にできますが、一定の条件を満たすかどうかで、福利厚生費となるか給料になるか異なります。

給料扱いとなった場合、会社にとって損金とできる点では同じですが、旅行に参加した役員・従業員の税負担が増えるため、せっかくの社員旅行を行ってもあまり喜ばれないかもしれません。

また、家族経営の会社などでは、経営者やその家族の税負担が増えるため、実質的に家族の手元に残るお金は少なくなってしまいます。

社員旅行を行う場合は、可能な限り旅費を福利厚生費として経費にできるように努めることをオススメします。

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損金に算入できなかったよくある失敗ケース

法人税は、会社の利益である益金から、経費などの損金を差し引いた額に所定の税率をかけることで額が決まります。

従って、益金を抑え、損金を多くつくることが節税の基本になります。

とは言え、利益はなかなか抑えようとして抑えられるものではありません。そのため、節税策の多くは損金をつくるものとなっています。

今回は、損金に算入するつもりだったのに、手続き上のミスなどによって損金に算入できなかった失敗談のうち、よくあるケースについてご紹介します。

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繁忙期を会計年度の最初にもってきた方が良い理由

個人事業主では会計年度は1月1日から12月31日までの1年間に定められていますが、法人では1年を超えない期間であれば会計年度を自由に設定することができます。

大手企業などでは公的機関に合わせて3月を決算月にしたり、9月を決算月にすることが多いようです。

実は、会計年度の最初に繁忙期を持ってくるようにすれば、非常に大きな節税メリットが得られます。

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法人が支払う主な3つの法人税について

一般的に法人が支払う税金は「法人税」と言われています。

しかし、法人税と言ってもひとつの税金ではなく、主に3つの税金からなります。課税額の計算方法や納付先が異なるため、法人が支払う主な3つの税金について違いを認識しておくことは大切です。

法人が支払う主な3つの法人税

法人が支払う主な税金は、①法人税、②法人事業税、そして③法人住民税の3つです。

いずれも決算日から2カ月以内に納付しなければいけない点は共通ですが、それ以外には大きな違いがあります。

まず、法人税は国税なので国に納めますが、法人事業税と法人住民税は地方税なので都道府県や市町村に納めます。

法人税

法人税は会社が上げた利益(所得)に対して課税される税金です。法人税は次の計算式によって求められます。

課税所得x法人税率

ここで言う課税所得とは、税法上の利益です。売り上げなどの益金から、経費などの損金を差し引いた額が課税所得となります。法人税率は現在は20%前後となっており、企業規模などによって決まります。

法人事業税

法人事業税もまた会社が上げた利益(所得)に足して課税される税金ですが、こちらは国ではなく都道府県に納めます。

法人事業税は、課税所得×法人事業税率の計算式で求められます。

法人事業税率は、課税所得に応じて異なり、①400万円以下、②400万円超800万円以下、③800万円超の3段階が設定されています。

法人住民税

法人住民税は事業所の所在地の都道府県と市町村に納める税金です。

法人税割+均等割の計算式で求められます。

法人住民税の注意点は、赤字になっても均等割の部分は納税しなければいけない点です。均等割は資本金や従業員数によって決まりますが、最低でも7万円程度は支払いが生じます。

法人税や法人事業税は赤字の場合は税金を払う必要はありませんが、法人住民税は支払う必要があります。

益金を減らし、損金を増やすのが法人税節税の基本

法人税、法人事業税、そして法人住民税のいずれも、基本的に税法上の利益(課税所得)が増えると負担が増えるようになっています。

そのため、効果的に節税を行うためには、上手に益金を減らし、損金をつくることが基本となります。

もちろん、損金をつくるために必要性の少ない支出を作ったり、租税逃れと見なされるような危ない節税手段を使うのは意味がありませんが、これまで節税を考えていなかった場合は、考えればある程度の節税はできるはずです。

還付された法人税は非課税となる

一度支払った法人税はもう戻ってこないと思うかもしれませんが、さまざまな条件によって一部が還付されます。

特に、法人が赤字を出した場合には、さまざまな税還付があります。

一度支払った税金が戻ってくるだけでもうれしいものですが、さらに還付された税金は非課税なので、法人税の負担が増える心配をする必要もありません。

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交際費を損金に算入して法人税の節税を行う【中小企業の節税】

得意先の接待など、企業経営を行っていればさまざまな交際が生じます。その時に発生する経費は交際費と言われますが、一定の条件を満たせば損金に算入することができます。

ただし、交際費は租税逃れのために利用されやすいため、損金算入の条件は厳しくなっています。しかし、可能な限り損金として処理することができれば、法人税の節税につながります。

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法人税を節税するための基本知識

法人税を節税するためのテクニックは無数にあります。多くの経営者が実践している定番の節税テクニックも数多くありますが、一方で実質的に節税効果のない「節税もどき」のテクニックもあるため、採用するときには注意が必要です。

「節税もどき」のテクニックに騙されないためには、まずは節税の基本的な性質について知ることが大切です。

節税の基本的な性質とは、①そのためにキャッシュが必要かどうか、②すぐに実施できるのか長期的な運用が必要なのか、そして③節税効果は永続的か一時的かの3点です。

この3つの性質をしっかり理解しておくだけでも、これから採用しようとしている節税テクニックが果たして有効なのかどうか、それなりに判断することができます。

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